前に書いた スラッシュコマンド活用術 の最後で予告していた「自分専用コマンドの作り方」、今回はその実装編です。
/commit や /review みたいに、毎回打つ指示を1発のコマンドに変えられると、作業が一段軽くなります。しかも作り方は拍子抜けするくらい簡単。
仕組みは「Markdown を置くだけ」
Claude Code のカスタムスラッシュコマンドは、決まったフォルダに Markdown ファイルを置くだけで登録されます。プログラミングは不要です。
置き場所は2種類:
| パス | スコープ |
|---|---|
~/.claude/commands/ | 全プロジェクトで使えるユーザーコマンド |
<project>/.claude/commands/ | そのプロジェクト限定のコマンド |
ファイル名がそのままコマンド名になります。~/.claude/commands/commit.md を置けば /commit で呼び出せる、というシンプルさです。
作ってみる:/commit コマンド
定番の「差分を見てコミットメッセージを作ってコミットする」フローをコマンドにします。
~/.claude/commands/commit.md を作って、中身を書きます:
---
description: 差分を確認してコミットメッセージを提案し、コミットする
---
現在の変更を確認してコミットしてください。
手順:
1. `rtk git status` と `rtk git diff` で変更内容を確認
2. 変更の意図を1〜2文で要約したコミットメッセージを提案
3. 私が OK を出したら `rtk git commit` を実行
テストが通ることは確認済みとする。再実行しなくてよい。
これで /commit と打つと、毎回この手順で動いてくれます。
作ってみる:/review コマンド
セキュリティ観点のセルフレビューをコマンド化する例:
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description: 現在の変更をセキュリティ観点でレビューする
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直近のコミットまたは未コミットの変更を、以下のチェックリストでレビューしてください。
- [ ] API キー・パスワードのハードコードはないか
- [ ] `.env` 系のファイルを誤って触っていないか
- [ ] ユーザー入力のサニタイズ漏れはないか
- [ ] エラー時に機密情報がログに出ていないか
- [ ] 認可チェックを飛ばしていないか
見つけた問題は重要度(High / Medium / Low)で整理して報告。
セキュリティ記事 で触れた項目をコマンドに畳み込んだ形です。コミット前に /review を打つクセをつけておくと安心感が違います。
引数を渡す
引数も取れます。$ARGUMENTS というキーワードを入れておくと、コマンドの後ろに付けた文字列がそこに入ります。
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description: 指定したファイルのテストを生成する
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$ARGUMENTS のテストを、既存のテストと同じスタイルで追加してください。
正常系・異常系・エッジケースをカバーすること。
/gentest src/auth.ts と打てば、$ARGUMENTS が src/auth.ts に置き換わって実行されます。
ファイルを参照させる
@ファイルパス を書いておくと、実行時にそのファイルを自動で読み込んでくれます。
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description: プロジェクトの設計書に沿って実装する
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@docs/design.md を参照して、次のタスクを実装してください。
タスク: $ARGUMENTS
「毎回この資料を読ませるところから始めたい」という場面でかなり便利です。
Bash コマンドも仕込める
! で始めるとBashとして実行されて、その出力がプロンプトに含まれます。
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description: ビルドエラーを解析する
---
以下はビルド出力です:
!rtk pnpm build
エラーの原因を特定して、修正方針を提案してください。
毎回手でコマンドを打って結果を貼る手間がゼロになります。
おすすめの運用
私がよく使う自作コマンドの例:
/commit— 差分確認 → メッセージ提案 → コミット/review— セキュリティチェックリスト/plan— 実装前に設計方針だけ出してもらう/explain— 選択したコードを初心者向けに解説/cleanup— 未使用コードの洗い出し
最初は1〜2個から始めて、「あ、これよくやるな」と気づいたタイミングで追加していくのが長続きのコツです。
まとめ
カスタムスラッシュコマンドは、Markdown を1枚書くだけで作れます。ハードルの低さのわりに効果が大きいので、Claude Code を使い込む人ほど作る価値があります。
まずは ~/.claude/commands/commit.md を1枚置いてみてください。5分で作れて、一生使う相棒になります。
次回は、調べ物のトークン消費を 90% 削減する「NotebookLM × Claude Code」の連携を紹介する予定です。